日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム1:「スーパーアドヴァンス症例への対応,進行再発癌に対する集学的治療 ─根治治療の可否判定と治療指針について─」
口腔癌局所・頸部再発例に対する治療の現状と今後の展望(原著)
梅田 正博柳本 惣市山田 慎一南川 勉渋谷 恭之古森 孝英
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2014 年 26 巻 4 号 p. 140-148

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抄録
手術を行った口腔扁平上皮癌324例のうち局所または頸部に再発を生じた症例について後ろ向きに検討した。局所再発は26例(8.0%)に生じ,T分類別ではT1-2:4.3%,T3-4:17%の再発率であった。局所再発例のうち救済可能であったのは12例のみで,特に進展癌の局所再発例の予後は著しく不良であった。再発部位としては咀嚼筋隙再発が多かった。
郭清側の頸部再発は頸部郭清を施行した199例中12例(6.0%)にみられた。このうち最終的に頸部が制御できたのは3例のみで,うち2例はその後遠隔転移を生じており,頸部郭清後に同側頸部再発を生じた症例の予後は著しく不良であった。頸部再発部位としては舌骨傍領域や郭清範囲の境界領域が多かった。
局所・頸部再発を防ぐための方策として,内側咀嚼筋隙郭清,舌リンパ節へのアプローチ,高用量シスプラチン併用の術後化学放射線療法などについて考察した。
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© 2014 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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