日本口腔腫瘍学会誌
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26 巻 , 4 号
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第32回日本口腔腫瘍学会・学術大会
シンポジウム1:「スーパーアドヴァンス症例への対応,進行再発癌に対する集学的治療 ─根治治療の可否判定と治療指針について─」
  • 篠原 正徳, 太田 嘉英
    2014 年 26 巻 4 号 p. 131
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
  • 小村 健, 原田 浩之, 生田 稔, 島本 裕彰, 富岡 寛文, 釘本 琢磨
    2014 年 26 巻 4 号 p. 132-139
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    今日,口腔の進行再発癌に対して最も高い根治性を希求しうる治療としては,唯一,手術療法と考えられる。しかし進行再発癌であるがゆえに切除範囲や手術侵襲も大きくなり,術後の機能面や整容面での障害も大きくなる。また可能なら術後に放射線療法や化学療法などの補助療法が考慮されるが,その予後は悪い。
    原発巣再発癌の手術適応については,rT1-4aと一部のrT4b(咀嚼筋間隙浸潤や翼状突起浸潤例は適応あり,頭蓋底浸潤例や内頸動脈包含例は適応なし)と考えてきた。
    進行原発巣再発(rT3,rT4)例で救済手術を施行しえた症例の治療結果は,他院初回治療例では13例中9例が無病生存し,当科初回治療例では9例中5例が無病生存中であった。
    進行局所再発癌の手術においては拡大手術が必要となり,それに伴い再建手術が必須となる。一次治療において手術が行われている症例では,再建皮弁や吻合血管にも制約が加わることがあり,術前には十分なICとともに,周到な治療計画の立案と,術後には支持療法を含めより慎重な管理が必要と考えられる。
  • 梅田 正博, 柳本 惣市, 山田 慎一, 南川 勉, 渋谷 恭之, 古森 孝英
    2014 年 26 巻 4 号 p. 140-148
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    手術を行った口腔扁平上皮癌324例のうち局所または頸部に再発を生じた症例について後ろ向きに検討した。局所再発は26例(8.0%)に生じ,T分類別ではT1-2:4.3%,T3-4:17%の再発率であった。局所再発例のうち救済可能であったのは12例のみで,特に進展癌の局所再発例の予後は著しく不良であった。再発部位としては咀嚼筋隙再発が多かった。
    郭清側の頸部再発は頸部郭清を施行した199例中12例(6.0%)にみられた。このうち最終的に頸部が制御できたのは3例のみで,うち2例はその後遠隔転移を生じており,頸部郭清後に同側頸部再発を生じた症例の予後は著しく不良であった。頸部再発部位としては舌骨傍領域や郭清範囲の境界領域が多かった。
    局所・頸部再発を防ぐための方策として,内側咀嚼筋隙郭清,舌リンパ節へのアプローチ,高用量シスプラチン併用の術後化学放射線療法などについて考察した。
  • 高木 亮, 長谷川 安都佐, 小藤 昌志, 伊川 裕明, 長縄 憲亮, 鎌田 正
    2014 年 26 巻 4 号 p. 149-158
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    炭素イオン線は高LET放射線であり高い生物学的効果を持ち,さらに線量集中性に優れることから周辺臓器への影響を抑えた治療が可能である。一般的に治療が困難であることが多い術後残存・再発腫瘍に対して,炭素イオン線治療を行い,良好な治療効果が得られたので報告する。対象は1997年4月から2013年8月までの間に放射線医学総合研究所で炭素イオン線治療を行った,耳下腺を含む顎顔面口腔領域の術後残存・再発腫瘍52例である。腺様囊胞癌が26例(50%)を占め,また39例(75%)がT4の局所進行例であった。治療は57.6GyEまたは64GyE/16Fr./4週間で行った。観察期間の中央値は47.7か月であった。局所制御率および粗生存率はそれぞれ3年で84.6%,76.8%,5年で75.2%,63.2%であった。有害反応として急性期にG3の粘膜炎が12例に見られたが晩期には全例がG1以下まで回復した。治療に難渋するX線抵抗性の局所進行再発腫瘍に対して,炭素イオン線治療は有効な局所治療の手段であると考えられた。
  • 山根 正之
    2014 年 26 巻 4 号 p. 159-164
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    頭頸部扁平上皮がん術後再発高危険症例に対する術後化学放射線同時併用療法の検討を行った。再発高危険因子は顕微鏡的切除断端陽性,被膜外浸潤陽性リンパ節転移,複数個頸部リンパ節転移とした。放射線治療は60Gy以上,化学療法はシスプラチン80mg/m2あるいは100mg/m2を3週毎に3回投与した。
    2007年4月から2013年11月までの期間に治療を行った52例(男性45例,女性7例)を対象とした。年齢は22歳から75歳,中央値は62歳であった。病期分類はステージIII 4例,ステージIVA 35例,ステージIVB 2例であり,後発頸部リンパ節転移は11例であった。原発部位は口腔23例,中咽頭4例,下咽頭20例,喉頭5例であった。経過観察期間中央値は28か月であり,3年局所制御率は75.5%,3年生存率は56.2%であった。多変量解析結果ではシスプラチン総投与量200mg/m2未満,口腔原発の症例は経過不良の傾向が認められた。頭頸部扁平上皮がん術後再発高危険症例における術後化学放射線同時併用療法は,その適応・治療法を遵守し完遂を目指すことにより局所制御率を改善する可能性があると思われた。
  • 山下 徹郎, 上田 倫弘, 林 信, 高後 友之, 細川 周一, 中嶋 頼俊
    2014 年 26 巻 4 号 p. 165-176
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    口腔癌進展例のなかでより進行したスーパーアドヴァンス症例につき,検討した。1988年~2013年の26年間に当施設で治療した口腔癌1487例中,1)スーパーアドヴァンス症例,2)二次症例・再発症例・多発癌・重複癌の中で根治的切除を施行した進展例,3)病理組織学型難治例とした症例は,合計103例(6.9%)であった。病理組織型難治例とはT4aまたはT4bと同等の進展範囲で非扁平上皮癌であり,腺様囊胞癌,MFH,骨肉腫,粘液肉腫とした。kaplan-meier 法による5年Over all survival rate は33.9%であった。新鮮例だけでは32.1%。再発例・二次例・多発例・重複例では35.6%であった。
原著
  • 山田 慎一, 柳本 惣市, 鳴瀬 智史, 松下 祐樹, 高橋 英哲, 白石 剛士, 池田 久住, 朝比奈 泉, 梅田 正博
    2014 年 26 巻 4 号 p. 177-186
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    切除不能の進行・再発口腔癌に対する治療法の選択肢は少なく,これに対する治療法の開発は重要である。上皮成長因子受容体に対する分子標的治療薬であるセツキシマブは著明な治療効果が期待できる反面,モノクローナル抗体投与に伴う薬剤投与中および投与数時間後にInfusion reaction(IR)の発現の可能性が報告されており,適切な対応が重要である。また,薬剤性肺障害の発症も報告されており,その投与に際しては注意が必要である。われわれは切除不能な進行・再発口腔癌の11例に対して本薬剤を投与しGrade 3以上の重篤なIRがみられた2例と本薬剤との関連が疑われた薬剤性肺障害の1例を経験した。IRおよび間質性肺炎の危険因子保有症例の場合は,セツキシマブ投与前に慎重な検討が必要であると思われた。
症例報告
  • 大倉 正也, 吉村 奈津子, 伊藤 章, 平岡 慎一郎, 相川 友直, 古郷 幹彦
    2014 年 26 巻 4 号 p. 187-192
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    症例は初診時年齢59歳男性,右側口底扁平上皮癌(T2N0M0)の診断にて,下顎辺縁切除を伴う口底部分切除術を施行した。術後40か月目に右側頸部リンパ節に後発転移を認め,FDG-PETで同リンパ節とともに両側肺尖部に異常集積があり,肺転移を疑った。癌化学療法にて頸部と肺病巣ともに一度は縮小とSUVmaxの低下を認めたが,その後頸部リンパ節のみ再増大し,肺病巣はSUVmax低下を示した。頸部郭清術を施行した後,肺病変は非結核性抗酸菌症であることが判明した。初回口底癌治療から7年6か月,頸部郭清術から3年7か月経過し,再発・転移を認めず,経過良好である。
    肺非結核性抗酸菌症は近年増加傾向にあり,肺転移や肺原発腫瘍に類似した画像を呈するため注意が必要である。
  • 山田 朋弘, 北村 直也, 笹部 衣里, 山本 哲也
    2014 年 26 巻 4 号 p. 193-198
    発行日: 2014/12/15
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
    骨未分化高悪性度多形肉腫は多形性を有し,特定の組織への分化を示さない高悪性度の肉腫である。今回われわれは,下顎骨に発生した未分化高悪性度多形肉腫の1例を経験したので報告する。患者は66歳の女性で,右側オトガイ部の知覚異常を主訴に来科した。右側頰部に2cm大の弾性軟の腫瘤を触知した。パノラマX線写真にて右側下顎埋伏智歯歯冠周囲のX線透過像が認められ,CT画像では右側下顎枝前縁に位置し造影性を有する径2cmの腫瘤性病変と虫食い状骨吸収を認め,MR画像ではT1強調画像にて下顎枝の骨髄信号の低下を認めた。生検にて肉腫と診断されたため,下顎半側切除術,頸部郭清術および大胸筋皮弁による再建術を施行した。切除物の最終病理組織診断は骨未分化高悪性度多形肉腫であった。現在,術後1年2か月が経過したが,腫瘍の再発や転移は認めていない。
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