抄録
上皮成長因子受容体に対する分子標的治療薬であるセツキシマブは著明な治療効果が期待できる反面,重篤な有害事象(Infusion reactionの発現の可能性や投与に関連する薬剤性肺障害の発症など)が報告されており,適切な症例選択と有害事象への対応が重要である。セツキシマブ療法における治療予測因子を検討する目的で口腔癌におけるEGFRv IIIとp16の発現と治療効果との関連を検討した。セツキシマブを用いて治療を行った14例においてEGFRv IIIの発現率は50.0%,p16は14.3%であった。セツキシマブ療法の治療効果とEGFRv IIIの発現との間に有意な関連がみられたが,P16との関連はみられなかった。本研究の結果から,EGFRv IIIの発現はセツキシマブ療法の治療効果予測因子となり得る可能性が示唆された。