抄録
本研究では,大学生85名を対象にオーストラリアのSNS規制に関して賛成群と反対群の認識を比較した.賛成群は,主にSNSが未成年に与えるリスクを懸念し,保護措置が必要と考え,反対群は,主にメディアリテラシー教育を通じてリスクを理解させるのが重要と認識していた.SNSが選挙に与える影響への不安に関しては,賛成群では誹謗中傷,反対群では自身の見解に沿う情報のみに注目する点に特徴がある.また,SNSが選挙に与える影響への不安軽減に関しては,両群ともメディアリテラシー教育や偽情報の拡散の防止の強化が必要であると認識していた.