日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム1:「舌癌切除後の再建法を再考する─切除範囲に応じた機能回復をどう考えるか─」
舌全摘・亜全摘後の再建舌の運動と嚥下機能の検討(原著)
寺尾 保信大山 定男逢坂 竜太
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2015 年 27 巻 4 号 p. 113-118

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抄録

舌全摘,亜全摘後の再建舌の動きが術後嚥下機能に及ぼす影響を検討した。従来,舌全摘,亜全摘後の再建は,隆起した形状を維持することが目的とされていた。しかし,隆起した再建舌が口峡部を占拠すると,食塊の送り込みが困難になり流涎も生じやすくなる。したがって隆起型の形状であるだけでなく可動性を有することが重要である。舌全摘・亜全摘後の14例の再建舌の動きをVF画像から解析し,食事形態との関係を検討した。再建舌の動きは時間経過により増大し,上下の運動距離が大きいと食事形態が良くなる傾向が見られた。皮弁の残存筋への縫着による再建舌の運動を促す再建は有効であり,皮弁の下顎骨への過度な固定など運動を妨げる再建は避けるべきであると考えられた。

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© 2015 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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