抄録
口腔癌におけるセツキシマブの安全性と有効性を評価するために,多施設共同後ろ向き研究を行った。2012年12月から2014年6月までの間にセツキシマブを使用した放射線療法あるいは化学療法を行った145例について,有害事象および臨床経過を後ろ向きに検討した。
セツキシマブを併用した放射線併用療法は65例に行われ,セツキシマブを併用した化学療法は80例に行われていた。全ての症例は初回のセツキシマブの投与を入院下での対応であった。セツキシマブによる主な有害事象であるinfusion reaction,ざ瘡様皮疹および間質性肺炎のgrade 3以上の発現率は,それぞれ3.4%,5.5%および2.1%であった。間質性肺炎はセツキシマブ放射線併用療法を受けた5例にみられた。セツキシマブ放射線併用療法の全奏功率は64.8%で,1年無増悪生存率および全生存率は,それぞれ24.1%および51.8%であった。一方,セツキシマブ+シスプラチン (あるいはカルボプラチン)+5FU療法の全奏功率は54.5%で,1年無増悪生存率および全生存率は,それぞれ25.0%および58.6%であった。
セツキシマブは口腔癌に対して有害事象の面からも忍容性が高く適応であり,有効であった。