ヒューマンファクターズ
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研究論文
不安全行動に対するゲーム理論の適用の試み
牧野 良次竹下 潤一松倉 邦夫
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2014 年 18 巻 2 号 p. 78-88

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抄録
多くの産業事故がヒューマンエラーに起因して発生している.ヒューマンエラーは不安全行動によって助長されると考えられる.不安全行動の発生を費用便益分析の考え方に基づいて理解しようとする先行研究があるが,それらは意思決定主体間の戦略的相互依存関係を無視している点に問題がある.この問題を解決するために本研究はゲーム理論を用いて不安全行動の発生メカニズムを分析した.安全が経済学における「公共財」としての性質をもつ場合を想定し,(1)不安全行動をとる人がひとりもいないという理想的な状態は達成困難であるということ,(2)個々人にとって安全であることの便益が高い場合であっても各人は必ずしも安全行動をとるとは限らないことを明らかにした.この分析結果は,安全教育やリスク評価の徹底は不安全行動防止対策として必ずしも十分ではなく,不安全行動をとらないことが利益となるようなインセンティブを人々に与えるような組織設計が必要であることを示唆している.
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