日本口腔腫瘍学会誌
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症例報告
逆行性超選択的動注化学放射線療法中に腫瘍栄養動脈が閉塞し吻合枝から急速動注した舌癌の1例
伊原木 聰一郎吉岡 德枝奥井 達雄國定 勇希志茂 剛光藤 健司藤内 祝佐々木 朗
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30 巻 (2018) 1 号 p. 23-27

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抄録

今回われわれは,舌癌に対して逆行性超選択的動注化学放射線療法を施行中に腫瘍栄養動脈が閉塞したため,腫瘍栄養動脈の吻合枝から急速動注療法を施行した舌癌の1例を経験したので報告する。
症例:43歳女性。2012年7月に当科を受診し,左側舌癌・両側頸部リンパ節転移(T4aN2cM0,扁平上皮癌)と診断した。原発巣は逆行性超選択的動注化学放射線療法を行い,頸部リンパ節転移に対しては照射後に頸部郭清術を施行する予定とした。2012年8月に患側は浅側頭動脈から舌動脈と顔面動脈の共通幹に,健側は浅側頭動脈から舌動脈に,それぞれカテーテルを留置した。定期的にインジゴカルミン染色でカテーテル脱落の有無を検査していたが,46Gy照射後から,患側の舌動脈と顔面動脈の共通幹の支配領域が染色されなくなった。Seldinger法で患側の外頸動脈にカテーテルを留置し外頸動脈分枝を造影すると,舌動脈と顔面動脈は造影されず,顎動脈分枝の頰動脈および下歯槽動脈から顔面動脈への吻合枝が描出された。下歯槽動脈をコイルで塞栓し頰動脈からシスプラチンを急速動注した。2012年10月に70Gy照射を終了した。2012年11月に両側頸部郭清術を行った。治療終了から現在までに約5年経過しているが再発および転移なく経過良好である。

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© 2018 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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