抄録
ニボルマブは,T細胞におけるPD-1リガンドの経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を再活性化するヒト型IgG4モノクロナール抗体である。本薬は,効果の発現形式や有害事象の特徴が従来の抗がん薬とは異なり,非特異的免疫反応が増強されることにより,今までの抗がん薬では未経験の副作用(免疫関連副作用:irAEs)が内分泌,呼吸器,消化管,皮膚,神経,筋など様々な部位で発現することがあり,irAEsの特徴を理解し,適切に管理することが非常に重要である。そのため,腫瘍内科医との連携が極めて重要になってくる。本薬の投与に関しての最適使用推進ガイドラインを再度周知願うとともに腫瘍内科医との連携の重要性について述べる。