日本において,ニボルマブはプラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部癌に対する治療薬として使用が承認された。ランダム化,オープンラベル,第Ⅲ相試験であるチェックメイト141試験にてその有効性は示され,治験参加医師が選択した単剤化学療法剤よりも優れた全生存率が得られた。
しかし,一方では,免疫に関係した有害事象は深刻である。特にわれわれがこれまでに経験したことがないような免疫関連の炎症に伴う有害事象(irAEs)が大きな問題である。口腔外科医は免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療では医療連携が必要不可欠である。特に重要である医療連携は,
1. 腫瘍内科との適格例の診断
2. 腫瘍内科との有害事象管理
3. 各臓器障害に関する専門各科への対診
4. 病勢については必ず自分自身で把握しておくこと
の以上である。
今後,進行頭頸部癌において免疫チェックポイント阻害薬と他の殺細胞性化学療法剤の併用療法(同時あるいは順序を決めて)が期待される。
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