日本口腔腫瘍学会誌
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30 巻 , 4 号
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第36回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
シンポジウム2:「口腔癌に対する免疫チェックポイント阻害剤投与の実際と腫瘍内科医との連携」
  • 桐田 忠昭
    2018 年 30 巻 4 号 p. 129
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
  • 桐田 忠昭
    2018 年 30 巻 4 号 p. 130-134
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    ニボルマブは,T細胞におけるPD-1リガンドの経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を再活性化するヒト型IgG4モノクロナール抗体である。本薬は,効果の発現形式や有害事象の特徴が従来の抗がん薬とは異なり,非特異的免疫反応が増強されることにより,今までの抗がん薬では未経験の副作用(免疫関連副作用:irAEs)が内分泌,呼吸器,消化管,皮膚,神経,筋など様々な部位で発現することがあり,irAEsの特徴を理解し,適切に管理することが非常に重要である。そのため,腫瘍内科医との連携が極めて重要になってくる。本薬の投与に関しての最適使用推進ガイドラインを再度周知願うとともに腫瘍内科医との連携の重要性について述べる。
  • 上田 倫弘, 林 信, 新山 宗, 秦 浩信, 今待 賢治
    2018 年 30 巻 4 号 p. 135-143
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    日本において,ニボルマブはプラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部癌に対する治療薬として使用が承認された。ランダム化,オープンラベル,第Ⅲ相試験であるチェックメイト141試験にてその有効性は示され,治験参加医師が選択した単剤化学療法剤よりも優れた全生存率が得られた。
    しかし,一方では,免疫に関係した有害事象は深刻である。特にわれわれがこれまでに経験したことがないような免疫関連の炎症に伴う有害事象(irAEs)が大きな問題である。口腔外科医は免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療では医療連携が必要不可欠である。特に重要である医療連携は,
    1. 腫瘍内科との適格例の診断
    2. 腫瘍内科との有害事象管理
    3. 各臓器障害に関する専門各科への対診
    4. 病勢については必ず自分自身で把握しておくこと の以上である。
    今後,進行頭頸部癌において免疫チェックポイント阻害薬と他の殺細胞性化学療法剤の併用療法(同時あるいは順序を決めて)が期待される。
  • 清田 尚臣
    2018 年 30 巻 4 号 p. 144-150
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    免疫チェックポイント阻害薬は,悪性黒色腫だけでなく,肺がん,腎がん,尿路上皮がんなどにおいてもその有効性が証明されており,他のがん種においても開発が進んでいる1-13)。そのような中で,頭頸部がんにおいても有効性を示す報告が続いており14-17),現在も新たな臨床試験も次々と行われている状況である。日本では2017年3月より抗PD-1抗体であるニボルマブが保険承認され実臨床で使用できるようになっている。免疫チェックポイント阻害薬は,頻度が低いものの時に厳重な内科的管理が必要となる免疫関連有害事象(immune related adverse event:irAE)を生じることが知られている。このため,耳鼻咽喉・頭頸部外科医および歯科口腔外科医と腫瘍内科医が緊密な連携を取りながら治療を進める必要がある。このため,日本臨床腫瘍学会では,頭頸部がん診療連携プログラムを立ち上げてより安全で有効な治療を患者に届けるための工夫を開始している。
原著
  • 吉田 祥子, 岸本 晃治, 村瀬 友里香, 伊原木 聰一郎, 吉岡 徳枝, 奥井 達雄, 長塚 仁, 佐々木 朗
    2018 年 30 巻 4 号 p. 151-157
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    UICCのTNM分類は,口腔癌の進行度評価の基準にされているが,2016年に第8版へ改訂され,T分類では浸潤の深さ(Depth of Invasion:DOI)が,N分類では被膜外進展(Extra Nodal Extension:ENE)が導入された。本研究では,当科で手術を行った舌扁平上皮癌症例107例において,第7版と第8版TNM分類により評価を行い,TNM分類改訂と頸部リンパ節後発転移(以下後発転移)および生存率との関連について検討を行った。
    TNM分類改訂により,17例(15.9%)にcTの変更を,6例(5.6%)にpTの変更を認めた。後発転移数・後発転移率は,cT1とpT1では低下し,cT2とpT2では増加した。また,第7版でcT4a,pT4aの2例が,第8版ではcT3,pT3に変更されたため,第8版は第7版と比較してcT3,pT3の生存率が低下した。第7版でpN2bの3例が,第8版ではpN3bに分類され,3例とも経過不良であった。
    当科の舌扁平上皮癌症例におけるTNM分類の第7版から第8版への見直しは,主にStage上昇につながった。そして,第8版TNM分類は,舌扁平上皮癌の進行度をより的確に後発転移と生存率へ反映させるため,実用的であると考えられた。
症例報告
  • 長谷川 稔洋, 宗像 花楠子, 小川 千晴, 家崎 憲博, 莇生田 整治, 宮下 英高, 相馬 智也, 福田 仁, 吉田 俊一, 内田 育宏 ...
    2018 年 30 巻 4 号 p. 159-166
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    本態性血小板血症(ET)は,骨髄中の造血幹細胞の異常により血小板数が増加する骨髄増殖性腫瘍の一つである。出血と血栓症を起こすため,周術期においては血小板数のコントロールと抗血栓療法が重要である。今回われわれは,ET患者に発生した口底癌に対して,手術を行った症例を経験したので報告する。患者は70歳,男性。右側口底部の腫瘍を指摘され,2016年9月に当院へ紹介受診した。生検結果は,扁平上皮癌であり,画像検査から臨床診断は,口底癌T2N1M0となった。2004年にETと診断され,ヒドロキシカルバミド(HU)とジピリダモールで治療されてきた。術前採血で血小板数は94.1×104/μlであったため,HUを増量し,手術当日は50.4×104/μlにコントロールした。ジピリダモールは術前から休薬し,2016年10月に気管切開術,機能的頸部郭清術,口底舌部分切除術,前腕皮弁再建術を実施した。術後は,血小板数が上昇してきたところでHUを再開,出血量が減少してきたところでダルテパリンナトリウムを開始した。血小板数のコントロールと抗血栓療法を行うことで周術期において合併症を起こすことはなかった。
  • 安井 昭夫, 北島 正一朗, 武井 新吾, 鶯塚 晃士
    2018 年 30 巻 4 号 p. 167-172
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    今回われわれは硬口蓋癌に対して,両側浅側頭動脈よりの超選択的動注化学放射線併用療法が奏功した1例を経験したので報告する。
    患者は63歳女性で左側口蓋歯肉の腫瘤を主訴に受診した。腫瘤は左側口蓋歯肉から正中部に伸展しており,大きさは35×30mmであった。頸部リンパ節に転移は認めなかった。生検にて扁平上皮癌と病理診断された。顎口腔領域の機能および形態温存が望める動注化学放射線療法を計画した。両側浅側頭動脈より顎動脈にカテーテルを留置した。抗癌剤は左右1:1に分割投与を行い,総投与量はDOC:60mg/m2,CDDP:125mg/m2であった。放射線治療は総線量50Gy照射した。造血器障害が認められたため,5週間で治療終了とした。治療後6年が経過するが,再発・転移は認められていない。
  • 小山 吉人, 上原 忍, 鎌田 孝広, 山田 慎一, 栗田 浩
    2018 年 30 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌の下顎骨転移を認めた報告例は少ない。今回,われわれは,肝細胞癌の下顎骨転移に対し,QOL維持・改善のため積極的な切除・再建術を行った症例を経験したので報告する。80歳男性が右側下顎臼歯部の腫脹を主訴に当科を受診した。既往として肝細胞癌,膀胱癌を認めた。右側下顎大臼歯部に33×24mm大で表面粘膜正常,弾性軟の腫瘤を認めた。単純CTにて同部に辺縁不整な透過像を認めた。生検にて肝細胞癌の転移と診断された。原発のHCCは担癌状態であったが,下顎骨以外の転移巣が明らかではなかったこと,および,生検後に腫瘍の急激な増大を認め疼痛や食事困難が出現したことから,口腔機能およびQOLの維持・改善目的に右側肩甲舌骨筋上頸部郭清術,右側下顎悪性腫瘍切除術,大胸筋皮弁および下顎骨再建用プレートによる再建を行った。患者は術後20か月生存したが,下顎骨に再発所見なく整容的および機能的にも問題は生じていなかった。
  • 大平 芽実, 河原 康, 丹羽 裕明, 折山 資, 小栗 崇, 柴田 章夫
    2018 年 30 巻 4 号 p. 179-183
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/24
    ジャーナル フリー
    外側咽頭後リンパ節は後咽頭隙内で椎前筋の外側,内頸動脈の内側に位置し,ルビエールリンパ節と称される。転移は咽頭癌からが多く口腔癌,特に舌癌からの報告は極めてまれであり,治療法が確立されておらず予後は不良とされている。今回われわれは舌癌術後に生じたルビエールリンパ節転移に対して強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:以下IMRT)とセツキシマブ(cetuximab:以下C-mab)を併用し著効した1例を経験した。現在治療後3年6か月が経過しているが,局所再発・遠隔転移は認めていない。
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