日本口腔腫瘍学会誌
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症例報告
再発後に顕在化したG-CSF・PTHrP産生舌癌の1例
兼子 隆次河合 孝真岡部 一登
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2019 年 31 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

口腔癌においてG-CSFとPTHrPの同時産生腫瘍は稀である。われわれは舌癌の再発にて顕在化したG-CSFとPTHrPの同時産生腫瘍と思われる症例を経験したので報告する。症例は72歳男性で,右舌縁部の腫瘍にて当科を受診した。腫瘍は扁平上皮癌で,右頸部リンパ節に転移を認めるT3N1M0,StageⅢであった。治療は術前化学療法後に腫瘍切除術,右頸部郭清術を行った。しかし,術後2か月後に口底部から左顎下部に再発を認めた。これに対し,化学放射線療法を計画した。治療の進行に伴い感染を伴わない白血球増多を認めた。まもなく骨浸潤を伴わない高Ca血症も認めるようになった。血中G-CSF と PTHrPは高値を示した。最終的にこの治療効果は限定的であった。病勢を増してゆき,全身状態の悪化にて治療開始後8か月で死亡した。抗G-CSFモノクロナール抗体を用いた免疫組織化学染色によって摘出部と再発部の組織を調べた。これらはともに陽性を示した。以上から本腫瘍は再発後に顕在化したG-CSFとPTHrPの同時産生腫瘍と診断した。

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© 2019 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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