日本口腔腫瘍学会誌
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総説
口腔上皮性異形成の病理
橋本 和彦
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2026 年 38 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
口腔潜在的悪性疾患は口腔癌の前駆病変や口腔癌へ進展するリスクを有する疾患概念であり,WHO頭頸部腫瘍分類第5版(WHO分類第5版)では12疾患が分類されている。白板症はその代表的疾患の一つで,擦過で除去されない白色の角化性病変として定義され,病理組織学的には過角化症,上皮性異形成,上皮内癌,扁平上皮癌などを含む臨床病名である。口腔上皮性異形成(OED)は,WHO分類第5版において「遺伝子変異の蓄積の結果,種々の程度の構造的・細胞学的な上皮の変化を来した病変で,扁平上皮癌への悪性転化のリスクを有する」と定義される。OEDの生物学的性質に関するWHOにおける見解は変遷しており,WHO頭頸部腫瘍分類第3版・第4版では「intraepithelial neoplasia」と同義とされ腫瘍性病変として位置づけられていたが,第5版では「intraepithelial neoplasia」の使用は推奨されなくなり,腫瘍性病変としての見解が後退したように思われる。そこで本稿では,OEDの病理診断の現状と,その病態について臨床病理学的検討を加えて概説する。
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