日本口腔腫瘍学会誌
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唾液腺腫瘤形成性病変19例におけるCT-Sialographyの評価
山崎 正
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1999 年 11 巻 3 号 p. 161-168

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抄録
耳下腺腫瘤16例, 顎下腺腫瘤3例, 計19例の患者に対してCT-sialogramを行い検討した。19例の患者の年齢は5歳から78歳で平均年齢57.3歳であった。検査は術前に行い手術後の病理組織検査では良性腫瘍13例, 嚢胞1例, 悪性腫瘍4例, 悪性リンパ腫1例であった。CT-sialo.所見では腫瘤検出率は100%であり, 全例でMajor ductが描出され腫瘍と顔面神経の走行との位置関係を知る指針となった。CT-sialo.所見にて直径約10mmの上皮筋上皮癌は全く悪性を疑う像が見られなかった。CT-sialo.にて良性腫瘍と判定した2例に, 手術時周囲組織と癒着が見られた。
唾液腺腫瘍の良性悪性の判定には辺縁の形状, 腫瘍内部のlow density areaや点状漏洩像の有無が有用な所見であった。
CT-sialo.は腫瘍の位置, 形態など得られる情報が多く, 唾液腺腫瘍の診断に際して早期に行うべき検査方法である。
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