日本口腔腫瘍学会誌
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11 巻 , 3 号
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  • 河津 俊幸, 湯浅 賢治, 神田 重信, 大関 悟, 篠原 正徳
    1999 年 11 巻 3 号 p. 135-142
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔癌における頸部転移リンパ節の有無は治療方針および予後を決定する重要な因子の一つである。我々はCT (Computed Tomography) と超音波を用いた頸部リンパ節転移の判定の中に“判定不能”という評価を追加することを提示したが臨床の場においてはこのようなリンパ節に遭遇することも少なくはない。そこで今回われわれは初診時のCTおよび超音波による画像検査で転移の有無を判定できなかった口腔扁平上皮癌患者の頸部リンパ節 (34個: 転移13, 非転移21) が, 術前治療 (放射線と化学療法併用) 後の画像との比較によって転移・非転移の判定が可能であるかを検討した。その結果, 転移リンパ節は内部エコーの増加およびリンパ節短径の4mm以上の減少が超音波画像所見で認められた。これら2つの所見は術前治療後の転移リンパ節判定の指標となり得ることが示唆され, 術前治療前後の画像を比較検討することによる転移リンパ節の判定は有用であった。
  • 畑田 憲一, 野間 弘康, 片倉 朗, 山 満, 高野 正行, 井出 愛周, 高木 多加志, 矢島 安朝, 柴原 孝彦, 柿澤 卓, 外木 ...
    1999 年 11 巻 3 号 p. 143-150
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今回の目的は当講座における1966年から1994年までの29年間の190例のエナメル上皮腫の治療法について検討することである。年齢, 性差, 発生部位についての統計学的結果は, ほぼ他の研究者の結果と一致していた。1960年代では43例中35例 (81.4%) に摘出術を, 1990年代では27例中16例 (59.3%) に顎骨部分切除術を施行していた。下顎骨の欠損は1968年より腸骨ブロックによって再建しているが, 1975年からは腸骨ブロックとPCBMの複合移植を施行していた。1977年より下歯槽神経の欠損に大耳介神経を用いて移植を行っており, 最近では, プルスルーテクニックを施行している。このように下顎骨と神経の再建法が確立されれば, 可能な限り根治的に手術を行うことができる。再発症例は17例で初回治療に摘出術を施行していた。従ってエナメル上皮腫の初回の治療法はとても重要であり, 可能な限り根治的に手術を行うべきと考えられた。
    最初の手術から9年4ケ月後に再発した症例もあることから, エナメル上皮腫の経過観察は10年以上行う必要があると考えられた。全体の約4分の3の患者に術後経過観察を行っていなかったことは再考すべき課題であった。
  • 本間 義郎, 木下 靭彦, 井上 聡, 河原 健司, 水沼 秀之, 水谷 成孝, 土肥 雅彦, 久保田 英朗, 小園 知
    1999 年 11 巻 3 号 p. 151-160
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜多発癌の臨床病理学的特徴と背景因子を把握するため, 12症例36病巣を対象に検討を加え, 以下の結論を得た。
    1) 性別では女性に多く (1: 5) , 発症部位では頬粘膜と上下歯肉に, 臨床型では肉芽型で, 外向性発育を示すものが多かった。
    2) 臨床分類では第2癌に進行癌が多いが, 第3癌以降は早期に発見されていた。また癌の多発につれて発症間隔の短縮化がみられた。
    3) 背景因子では, 飲酒・喫煙よりも, 白板症, 紅板症, 扁平苔癬やPlummer-Vinson症候群などの前癌病変や前癌状態の存在が危険因子であった。
  • 山崎 正
    1999 年 11 巻 3 号 p. 161-168
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    耳下腺腫瘤16例, 顎下腺腫瘤3例, 計19例の患者に対してCT-sialogramを行い検討した。19例の患者の年齢は5歳から78歳で平均年齢57.3歳であった。検査は術前に行い手術後の病理組織検査では良性腫瘍13例, 嚢胞1例, 悪性腫瘍4例, 悪性リンパ腫1例であった。CT-sialo.所見では腫瘤検出率は100%であり, 全例でMajor ductが描出され腫瘍と顔面神経の走行との位置関係を知る指針となった。CT-sialo.所見にて直径約10mmの上皮筋上皮癌は全く悪性を疑う像が見られなかった。CT-sialo.にて良性腫瘍と判定した2例に, 手術時周囲組織と癒着が見られた。
    唾液腺腫瘍の良性悪性の判定には辺縁の形状, 腫瘍内部のlow density areaや点状漏洩像の有無が有用な所見であった。
    CT-sialo.は腫瘍の位置, 形態など得られる情報が多く, 唾液腺腫瘍の診断に際して早期に行うべき検査方法である。
  • 中嶋 正博, 森田 章介, 松本 晃一, 小川 文也, 仁木 寛, 有家 巧, 角熊 雅彦, 堀井 活子, 榊 敏男, 覚道 健治, 清水谷 ...
    1999 年 11 巻 3 号 p. 169-176
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1980年から1996年までの17年間に, 大阪歯科大学口腔外科第2科で治療を行った上顎歯肉扁平上皮癌40例を対象に臨床病理学的に検討した。TNM分類はT1: 6例, T2: 17例, T3: 8例, T4: 9例, N0: 27例, N1: 12例, N2: 1例で, 全例M0であった。
    1.局所制御率はT1: 100%, T2: 88%, T3: 86%, T4: 50%で, 原発部位別では前歯部: 100%, 臼歯部: 87%, 後方部: 57%であった。
    2.40例中15例 (37.5%) に病理組織学的にリンパ節転移を認め, このうち後発リンパ節転移がT3: 3例, T4: 2例の5例にみられた。
    3.原病死は原発巣非制御: 5例, 頸部非制御: 5例, および遠隔転移: 1例の計11例にみられた。
    4.T3, T4症例あるいは原発部位が後方部のものが経過不良であった。
    5.病理組織学的に高悪性のものは低悪性, 中等度悪性に比べ経過不良であった。
    6.5年累積生存率はT1: 100%, T2: 84%, T3: 47%, T4: 47%で, 全体では69%であった。
  • 石川 義人, 岡田 幸信, 福田 喜安, 八木 正篤, 武田 信洋, 降旗 球司, 工藤 啓吾
    1999 年 11 巻 3 号 p. 177-181
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    患者は68歳の女性で, 左側舌側縁に高分化型扁平上皮癌 (T3N0M0) を認めた。初診時よりUFT-E顆粒450mg/日の経口投与を開始し, 腫瘍の縮小傾向がみられたため3週間後よりbiochemical modulationによる腫瘍縮小効果増強を期待しLeucovorin 30mg/日を併用した。腫瘍は臨床的に消失したため, 全麻下に舌部分切除術を施行した。
    退院後, 義歯を装用し, 会話や嚥下機能にも特に問題ない。現在術後5年2か月を経過しているが再発や転移を認めず良好に経過している。
  • 岡部 孝一, 坂下 英明, 宮田 勝, 齋藤 貴一郎, 高木 純一郎, 車谷 宏
    1999 年 11 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 舌扁平上皮癌患者の放射線治療後の経過観察中に発見された甲状腺癌の1例を経験したので, その概要を報告する。
    患者は40歳の女性で, 1997年7月初旬頃より, 左舌側縁部疼痛を自覚するようになり, 1998年7月9日当科を受診した。顔貌の変形なく, 頸部リンパ節に有意なリンパ節は触知しなかった。左側舌下面に, 大きさ10×12mm, 境界不明瞭, 有痛性, 硬結を伴う, 潰瘍を認めた。舌生検を施行し, 舌扁平上皮癌 (T1N0M0) の病理診断を得た。放射線科にて電子線腔内照射12Gy×3回 (計36Gy) をおこない, 病変は完全に消失した。
    以後, 経過観察していたが, 頸部リンパ節触診時に, 約1センチ程度の腫瘤を左甲状腺部に認めた。当院一般消化器外科にて甲状腺細胞診を行い, 乳頭癌の診断を得た。CTでは, 甲状腺左葉に直径1cm程度の腫瘍を認めたが, 周囲への浸潤は認められなかった。一般消化器外科にて, 10月13日, 全身麻酔下にて, 甲状腺左葉切除術および保存的頸部郭清術を施行した。病理診断は乳頭癌であった。口腔内および頸部ともに再発傾向は認めず, 経過は良好である。
  • 1999 年 11 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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