日本口腔腫瘍学会誌
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自然消失した上顎歯肉原発悪性リンパ腫の1例
山本 漢九大儀 和彦安本 順一今井 裕一郎川上 正良桐田 忠昭
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2003 年 15 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

今回われわれは診断後, 約3か月の臨床経過中に完全に自然消失した上顎歯肉原発悪性リンパ腫の1例を纖したので, その概要を報告する。
症例は80歳女性で, 右側上顎臼歯部の腫脹を主訴に来院した。初診時の口腔内所見では右側上顎臼歯部に30×45mmの一部潰瘍を伴うび慢性の腫脹を認め, X線写真, CT所見においても右側上顎臼歯部を中心に骨の破壊像が認められた。頸部リンパ節には, 異常は認められなかった。生検を施行し, 悪性リンパ腫 (び慢性, 大細胞型, B細胞) (WHO分類) の病理診断が得られた。しかし, 無治療にもかかわらず約3か月の短期間に病変は自然消失した。以降, 経過観察を行っているが初診日より約1年6か月経過した現在, 再燃は認められない。

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