日本口腔腫瘍学会誌
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非喫煙・非飲酒者における口腔扁平上皮癌の臨床的検討
能崎 晋一長谷 剛志中谷 弘光加藤 広禄田中 彰川尻 秀一高塚 茂行中川 清昌山本 悦秀
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2007 年 19 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

口腔癌は非喫煙・非飲酒者にも発生する。われわれは非喫煙・非飲酒者の口腔扁平上皮癌患者における特徴を検討した。1989年から2002年までに金沢大学医学部附属病院歯科口腔外科にて治癒的切除を受けた口腔扁平上皮癌一次症例100例を対象とした。その中で, 生涯非喫煙・非飲酒者である患者は100例中47例であった。非喫煙者・非飲酒患者は喫煙あるいは飲酒歴のある者と比べ, 女性に多く高年齢であった。その好発部位は, 舌・歯肉であり, 喫煙者や飲酒者で認められた口底や頬粘膜には少なかった。病理組織学的分類, 浸潤様式, 生存率では両群間で有意な差は認められなかった。また, 出産経験のある非喫煙・非飲酒女性患者30例のうち27例が男児を出産していた。以上, 本研究の結果は, 諸外国の報告と一致していた。また, 非喫煙・非飲酒者の口腔扁平上皮癌患者は女性に多いことから, 女性においては出産歴が発がん機構に関連していると考えられた。

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