日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
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19 巻, 1 号
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  • 能崎 晋一, 長谷 剛志, 中谷 弘光, 加藤 広禄, 田中 彰, 川尻 秀一, 高塚 茂行, 中川 清昌, 山本 悦秀
    2007 年 19 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔癌は非喫煙・非飲酒者にも発生する。われわれは非喫煙・非飲酒者の口腔扁平上皮癌患者における特徴を検討した。1989年から2002年までに金沢大学医学部附属病院歯科口腔外科にて治癒的切除を受けた口腔扁平上皮癌一次症例100例を対象とした。その中で, 生涯非喫煙・非飲酒者である患者は100例中47例であった。非喫煙者・非飲酒患者は喫煙あるいは飲酒歴のある者と比べ, 女性に多く高年齢であった。その好発部位は, 舌・歯肉であり, 喫煙者や飲酒者で認められた口底や頬粘膜には少なかった。病理組織学的分類, 浸潤様式, 生存率では両群間で有意な差は認められなかった。また, 出産経験のある非喫煙・非飲酒女性患者30例のうち27例が男児を出産していた。以上, 本研究の結果は, 諸外国の報告と一致していた。また, 非喫煙・非飲酒者の口腔扁平上皮癌患者は女性に多いことから, 女性においては出産歴が発がん機構に関連していると考えられた。
  • ―アンケートによる多施設研究―
    松井 義郎, 大野 康亮, 代田 達夫, 道脇 幸博, 高橋 浩二, 山下 夕香里, 吉増 秀實, 天笠 光雄, 岡部 貞夫, 小野 貢伸, ...
    2007 年 19 巻 1 号 p. 7-18
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究では, 口腔癌の治療法や再建手技の選択, さらには術後機能の改善に役立てることを目的として実施された多施設共同研究の中から, 舌・口底癌切除後に (筋) 皮弁を用いた再建手術を受けた患者が自らの術後機能をどのように主観評価しているかについて統一されたアンケートを用いて調査した結果について報告した。
    13施設から登録された81症例を切除部位により側方型 (L群) 51名, 前方型 (A群) : 17名, および混合型 (C群) : 13名に分けた。さらに切除範囲の大きさによりL群を3つの亜群に, またA群を2つの亜群に細分類した。再建 (筋) 皮弁は遊離前腕皮弁 (RFF) が50例ともっとも多く, ついで遊離腹直筋 (RAMCF) 18例, 大胸筋 (PMMCF) 11例, その他2例であった。
    アンケート調査は4つの分野: 治療後の会話, 食生活, 摂食嚥下機能 (口腔相と咽頭相) , に関する14項目について切除部位, 大きさの影響と合わせて, 再建 (筋) 皮弁の違いによる影響について検討した。
    その結果, 全体としてはL群, かつ切除範囲が小さい患者が高い値を示した。また可動部舌半側切除群では腹直筋皮弁より前腕皮弁で再建された患者のほうが速い会話速度を示した。それ以外の項目では, 再建皮弁間の差はみられなかった。しかし, いずれの項目においても再建患者自身による術後機能の主観評価は術前に比べ低下しているため術後の栄養指導, 誤嚥対策が重要と思われた。さらにC群に対して機能温存が可能な新しい治療法の開発が特に必要と考えられた。
  • 鯵坂 正秋, 梅本 丈二, 喜久田 利弘
    2007 年 19 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔乳頭腫症の発生原因は様々である。今回, 長期間不適合と思われる下顎義歯を使用した結果, 義歯床下の歯肉粘膜に沿って発生した口腔乳頭腫症2例を経験した。
    症例1は約15年間にわたり, 症例2においては, 約10年間にわたり, 不適合と思われる下顎義歯を長期間使用していたことにより発育増大傾向を示したと考えられた。
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