日本口腔腫瘍学会誌
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口腔扁平苔癬からの癌化が強く疑われた
扁平上皮癌の4症例
鹿嶋 光司猪ケ倉 徳孝小村 光広濱田 真人有馬 良治迫田 隅男芝 良祐
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1994 年 6 巻 3 号 p. 238-245

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抄録
口腔扁平苔癬が悪性化する可能性については論争中である。われわれは, 口腔扁平苔癬由来と思われる口腔扁平上皮癌の4症例 (男性3例, 女性1例) を報告する。平均年齢は65.5歳であった。各々の症例の部位は頬粘膜, 下顎歯肉, 上顎歯肉および舌であった。すべての症例は肉眼的にびらん型を呈し, 病理組織学的にも扁平苔癬であると診断された。3例では扁平苔癬に引き続いて扁平上皮癌が生じ, 残りの1例では両者が同時に生じた。初診から悪性像が確認されるまでの期間はそれぞれ, 33か, 月, 49か月, 106か月であった。1例が喫煙者で, 2例が飲酒者であった。現在1例が腫瘍なく生存, 3例が既に死亡した。
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