日本口腔腫瘍学会誌
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画像診断にて上顎洞と傍咽頭隙に病変の認められた非ホジキンリンパ腫の1例
花澤 智美木村 幸紀関 健次岡野 友宏秋月 弘道道 健一
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1994 年 6 巻 3 号 p. 232-237

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抄録

非ホジキンリンパ腫が頭頸部に節外性に多発することは極めて稀である。今回われわれは, 上顎洞および傍咽頭隙に同時に病変の認められた非ポジキンリンパ腫の一例を報告する。患者は77歳の男性で初診時の約6週間前から口蓋部に膨隆を生じた。臨床的に硬口蓋部の腫瘤と同様に咽頭部の粘膜にも腫脹が見られた。CTおよびMR検査では, 硬口蓋部の病変は上顎洞を占有し, 頬部皮下, 鼻腔, 側頭下窩, 内外側翼突筋に進展しており, また咽頭部の病変は傍咽頭隙を占有し咽頭粘膜に膨隆していた。しかし, 両病変に連続性がみられなかったことから, 独立に生じた病変であると判断した。

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