日本口腔腫瘍学会誌
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超高齢者の口腔癌治療に関する臨床的検討
石川 好美海野 智川辺 良一斎藤 友克小林 園生大村 進小野 繁藤田 浄秀
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1995 年 7 巻 4 号 p. 312-318

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抄録

1982年から1992年までの11年間に横浜市立大学医学部口腟外科で治療した80歳以上の頭頸部悪性腫瘍患者は29名であった。内訳は男性12名, 女性17名で26例が一次症例で3例が二次症例であった。
病理学的診断では26例 (90%) が扁平上皮癌であった。部位別では舌が7例, 頬粘膜と上顎歯肉が各6例と多かった。病期分類では, Stage Iが2例, Stage IIが8例, Stage IIIが5例, Stage IVが12例であった。
治療態度から手術群, 根治的放射線治療群, 姑息的治療群の3群に分類し, Kaplan-Meier法で生存率を検討した。手術群は3年, 5年とも15%, 放射線治療群は3年, 5年とも30%であり姑息群は1年で0%になった。根治治療群の治療成績は, Stage IとStage IIが5年で50%でStage IIIとStage IVは3年で0%になった.残念にも7例 (50%) が非担癌で他病死した。これは非常に高率であり, 超高齢者における悪性腫瘍治療の特徴を示していた。
これらの結果から, 超高齢者の治療で最も大切な事は, 全身状態ならびに精神状態を十分検討の上適切な治療法を選択することである。実際にそれを評価する上でParformance Statusが最も有効な情報であった。なぜならば超高齢者ではQOLを維持しながら治療しなければならないからである。

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