日本口腔腫瘍学会誌
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外側咽頭後リンパ節転移を生じた口底癌の1例
木村 幸紀花澤 智美真鍋 真人南雲 正男岡野 友宏
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1997 年 9 巻 3 号 p. 118-122

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抄録

外側咽頭後リンパ節いわゆるルビエールリンパ節 (R節) への転移は, 上咽頭癌や下咽頭癌で高頻度に生じるが口腔癌の転移は非常に稀である。ここでは, R節転移を生じた口底部前方の癌の1例を報告する。患者は, 66歳の男性で, 口底扁平上皮癌 (TINOMO) の診断のもとに腫瘍切除と右側上頸部郭清術を施行した。術後6か月目のCTで局所再発は見られなかったが, 中咽頭下方部のレベルで患側の咽頭側壁に浸潤した再発腫瘍と左側にリンパ節転移を認めた。両側の頸部郭清術と補助的化学療法を施行したが, 8か月後のCTで右側にR節転移を認めた。R節転移の原因として, 既報告で述べたように頸部郭清術によってリンパ排出に変化を生じたことが挙げられ, また下咽頭部に近接して頸部再発が生じたためとも考えられた。従って, 口腔癌患者でも頸部再発を生じた場合ではR節を画像診断するべきである。

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