日本口腔腫瘍学会誌
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外来通院を可能にした硫酸モルヒネ徐放錠大量投与による腺様嚢胞癌患者の癌性疼痛管理
柳澤 高道高橋 由美子川中 正雄浦出 雅裕
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1997 年 9 巻 4 号 p. 288-293

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抄録
モルヒネは強力な鎮痛効果を有し, かつ天井効果がない。したがってモルヒネは激痛を伴う進行癌患者に対して癌性疼痛が除去できるまで投与が可能である。われわれは外来にてモルヒネの大量投与を行った進行腺様嚢胞癌患者の癌性疼痛管理の1例を報告する。重大な副作用を引き起こすことなく癌性疼痛を除去するまで徐々にモルヒネを増量したところ, モルヒネの投与量は2760mg/日となり, 投与期間は21か月となった。硫酸モルヒネ徐放錠の大量投与は本患者のQOLの改善に有用であった。
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