抄録
ヒト歯肉線維芽細胞 (NIFr: ニフェジピン感受性患者から得られた歯肉線維芽細胞, およびNIFn: ニフェジピン非感受性患者から得られた歯肉線維芽細胞) におけるイソプレナリンで誘導されたcAMPレベルとヒスタミンで誘導された細胞内カルシウム濃度の関係を検討した.NIFr, NIFn細胞においてヒスタミンにより細胞内カルシウムの増加が認められ, NIFr細胞の方がNIFn細胞よりもヒスタミンに対する感受性が高かった.NIFrにおいて, イソプレナリンによりcAMPの増加が認められたが, その増加はプロプラノロールによって抑制されたことから, アデニル酸シクラーゼを活性化するβ受容体の存在が示唆された.また, ヒスタミンにより誘導される細胞内カルシウム濃度がイソプレナリンにより低下し, その低下はNIFr細胞よりNIFn細胞で強くみられる傾向にあった.