抄録
乳・幼児期のアトピー性皮膚炎の発症に係わる因子を解明する目的で出生コホート研究を行った.健康新生児262名(男児133名,女児129名)を対象に,アレルギー疾患の家族歴,妊娠中の母体感染症の有無,臍帯血サイトカインの測定および皮膚生理機能検査を行った.生後1および3年目にアレルギー疾患発症の有無について,郵送および電話によるアンケート調査を行った.その結果,生後1年目および3年目では,医師の診断に基づくアトピー性皮膚炎の発症は,それぞれ27名(12.7%),20名(10.1%)であった.1年目では家族歴,臍帯血 MIP-1βが,3歳では1歳までのアトピー性皮膚炎,臍帯血IL-6,IL-10,IL-12が関連した.さらに,生後1ヵ月の頬部の皮膚水分量は両年齢に関連していた.臍帯血サイトカインや皮膚生理機能検査は,アトピー性皮膚炎の発症予知因子となる可能性が示唆された.