日本小児アレルギー学会誌
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原著
保育施設での食物アレルギー児に対する食物除去対応における変化
-富山県における平成13年度と18年度調査の比較-
足立 陽子中林 玄一淵澤 竜也岡部 美恵板澤 寿子高尾 幹山元 純子尾上 洋一足立 雄一村上 巧啓宮脇 利男
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ジャーナル 認証あり

2007 年 21 巻 3 号 p. 305-310

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抄録
【背景】保育施設における食物アレルギー児に対する食物除去には,いくつかの問題点が指摘されている.一方,食物アレルギーに対する社会の認識は高まりつつある.
【方法】平成18年に富山県内の439の全保育施設にアンケート調査用紙を郵送し,回答の得られた229施設(回答率52.2%)のアンケート結果を解析し,平成13年度の結果と比較した.
【結果】食物除去の実施経験施設は70.5%から86.9%に増加し,食物除去を受けている園児の割合も1.24%から1.97%へと増加していた.医師の文書による指導を必要とする施設が13.5%から58.3%に増加していた.また,誤食時の対応を予め医師や保護者に確認していた施設も22.7%から79.9%に増加していた.一方,73.4%の施設でアドレナリン自己注射キットを知らなかった.
【考案】保育施設における食物アレルギー児への対応は5年間で大きく改善されたが,誤食時の対応など未だ不十分な点もあり,保育施設に特化したガイドラインの作成が望まれる.
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© 2007 日本小児アレルギー学会
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