日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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原著
日誌との比較による小児喘息コントロールテストの有用性の検討
磯崎 淳川野 豊正田 哲雄畠山 淳司小川 倫史野間 剛中村 陽一
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2008 年 22 巻 5 号 p. 787-794

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抄録
気管支喘息において病状を的確に把握し,これに基づいた適切な管理を行うことは重要である.近年,小児用 ACT も開発され,その日本語版も作成された.小児 ACT の有用性を明らかにするため,喘息日誌の記載内容と小児 ACT の相関を検討した.日誌の内容を症状別に点数化し,小児 ACT との比較を行った.また,ピークフロー期待値の低下回数およびβ2 刺激薬吸入の回数と小児 ACT の相関を検討した.小児 ACT は睡眠,発作症状における日誌の記載内容やβ2 刺激薬の頓用の使用回数と相関を認め,臨床実地において有用であると考えられた.しかしながら,ピークフロー値の低下回数においては相関を認めず,日常における自覚されない状態把握は困難であった.小児 ACT は臨床実地上,概ね有用であるが,自覚されない症状を反映しないことに留意する必要がある.
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© 2008 日本小児アレルギー学会
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