抄録
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(以下,JPGL)は対象を小児に絞り,乳児から思春期までの喘息の年齢層別の特徴を考慮した簡潔,明瞭なガイドラインとして,広く定着した感がある.今回の2008年版は数えて3度目の改訂版となるが,小児の喘息の病態や重症度の評価法,治療ステップに関しての一部改訂が行われている.最新の報告をもとに病態生理の記述が追記されたほか,喘息の長期管理にあたっての薬剤の選択や投与のために,発作強度や重症度の判定について,よりわかりやすいものに改められている.本文にあるごとく,治療内容のステップアップ,ステップダウンにあたり,「見かけ上の重症度」の把握が重要であるが,長期管理や患者や保護者の患者教育を進めていく上では,適時,「真の重症度」を評価することが大切と思われる.