日本小児アレルギー学会誌
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第46回日本小児アレルギー学会シンポジウム5 小児アレルギー研究の方向性を探る
アレルギー疾患の予知,予防を目指して
荒川 浩一
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ジャーナル 認証あり

2010 年 24 巻 1 号 p. 105-112

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抄録

アレルギー疾患は,国民病とも考えられるように非常に増加している.その原因を明らかにして予知・予防を行うことは国民の健康を増進し,延いては医療・社会保障費の削減を導くために重要な課題である.アレルギー疾患は,アレルギーマーチと呼ばれるように胎内でプライミングされ,乳幼児期に発症していくものが多く,まさにその時期を診療している小児科医こそがこの問題に対して真摯に取り組むべきものである.わが国特有のアレルギー疾患発症因子を解明するためには,多数の対象を用いた精度の高い出生コホート調査を行うことが必要である.それによりハイリスク者を選別することができ,一次予防につなげられる.我々が行った出生コホート調査を概説し,プライミングの時期である妊娠中に実施するような一次予防について,特にエピジェネティクスの観点から言及した.

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© 2010 日本小児アレルギー学会
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