日本小児アレルギー学会誌
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原著
喘息症状安定期におけるプレドニゾロンによる気道可逆性と呼気中一酸化窒素濃度変化
西田 光宏吉原 重美有阪 治
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2010 年 24 巻 5 号 p. 719-724

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抄録
良好な喘息症状と肺機能の安定とFENO高値(>60ppb)が解離する症例の病態生理を解明する目的で,11才から14才の3例を対象に,プレドニゾロン0.5mg/kg,7日間内服による気道可逆性とFENOの変化を検討した.3例ともアレルギー性鼻炎とアトピー性皮膚炎を合併し,血清IgE値と血中好酸球数の増加を認めた.
症例1はプレドニゾロン内服後にFENOは有意に低下したが,プレドニゾロン内服の前後で肺機能の変化を認めなかった.症例2と3はプレドニゾロン内服後にFENOが有意に低下し,プレドニゾロン内服の前後でV50の有意な増加とフローボリュームカーブの変化を認めた.良好な喘息症状と肺機能の安定とFENO高値が解離する症例の一部は,末梢気道における気道炎症残存が解離の背景と推定された.良好な症状とFENO高値が解離する症例の気道炎症と狭窄の検出にプレドニゾロンによるFENO測定と可逆性検討は有用な方法のひとつと考えた.
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© 2010 日本小児アレルギー学会
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