日本小児アレルギー学会誌
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第16回アジア太平洋小児アレルギー呼吸器免疫学会/APAPARI Presidential Lecture
乳児喘息
森川 昭廣
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2012 年 26 巻 1 号 p. 17-27

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抄録

気管支喘息は世界中で高い罹患率と死亡率を示し,小児でも学校欠席や救急外来受診,入院の大きな原因となっている.
喘息は繰り返す喘鳴発作,呼吸困難,咳嗽の原因となる.その原因は気道の慢性炎症と気道過敏性である.気道は気管支収縮,粘液栓や気道壁の浮腫により閉塞する.前述の典型的な症状を繰り返す場合には,診断は容易であるが,2歳以下の乳幼児では,喘鳴性疾患が多いために,診断が困難なことがある.本邦では,感染の有無に係わらず,3回以上の喘鳴発作がある場合を乳児喘息としている.
最近,気管支喘息において,気道のリモデリングが少数回の気管支収縮でも始まるとの報告があり,早期の正しい診断,環境調整と抗炎症薬による早期介入は乳児喘息でも必要であろう.

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© 2012 日本小児アレルギー学会
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