抄録
コチニール色素とはサボテンに寄生するカイガラムシ科エンジムシの雌の乾燥虫体を,水あるいはエタノールで抽出して得られる天然の赤色色素である.また,コチニール色素の主色素成分であるカルミン酸のアルミニウム結合物やアルミニウム・カルシウム結合物等による不溶化したものをカルミンという.コチニール色素・カルミンが使われている食品による症例が報告されている.
エリスリトールは,ブドウ糖を原料とし酵母によって発酵させる事により作られる四炭酸の糖アルコールである.全国調査から甘味料等による即時型アレルギーと確定したケースがこれまで15例あることが報告され,そのうち8例がエリスリトールであった.上記低分子化合物のアレルギーに関して最近の知見を含めて概説する.