日本小児アレルギー学会誌
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総説
舌下免疫療法―小児への適応拡大―
大久保 公裕
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ジャーナル 認証あり

2014 年 28 巻 3 号 p. 313-319

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抄録

I型アレルギー疾患に対するアレルゲン免疫療法(減感作療法)は皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)として1911年のNoon L. の報告以来100年の治療経験がある.いくつかの欠点があり,残念ながら日本では標準治療にはなっていない.これを改善するために舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)が現状で最も安全で最も実用化が近い方法である.我々はスギ花粉症へのSLITの臨床試験を行ってきた.局所の違和感以外の副作用はなく,有効性も症状スコアを減少させ,薬物使用量を減少させ,QOLの悪化を軽減する治療法であることが確かめられている.小児のスギ花粉症に対しても効果が検証されているが,エビデンスはない.今後,小児におけるエビデンス構築が日本でも必要である.

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© 2014 日本小児アレルギー学会
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