2015 年 29 巻 2 号 p. 202-213
近年,根拠に基づいた医療(evidence based medicine)が日本の医療分野においても重要視されるようになった.ランダム化比較試験は根拠に基づく医療を支える重要な柱のひとつである.しかし残念ながらその研究デザインの不備や悪意をもった解析によってランダム化比較試験結果が真実とは異なった形で報告されることがしばしば起こりえる.そのため論文を批判的に読み,目の前の患者に適用可能か否かを判断する論文リテラシーが臨床家に求められている.本稿ではCONSORT声明2010の解説を踏まえ,ランダム化比較試験論文をどのように読解するか実例をあげて解説する.