目的:食物アレルギー有病率の増加に伴い,集団生活の中での誤食予防・緊急対応体制の確立は重要な課題である.当センターでは保育園・小学校関係者を対象に食物アレルギーとエピペン
®に関する講習会を実施しており,その効果と課題を検討した.方法:講習会に参加した大阪府・兵庫県下の保育園・小学校関係者を対象に,食物アレルギーとエピペン
®に関するアンケート調査を実施し552人から回答を得た.結果:保育士・教員の過半数が食物アレルギーに関する講習会を受けたことがなく,食物アレルギーに対する理解・症状出現時の対応についての理解が不十分であった.アナフィラキシー症状出現時にエピペン
®の投与が必要な場合にも使用できていない現状が明らかになった.しかし,講習会後にはすべての職種で食物アレルギーおよびエピペン
®についての理解度や不安は有意に改善していた.結論:教育現場で適切にエピペン
®が使用されるためには,このような講習会は効果的である.また,症状出現時に迅速な対応を行うためには多職種の理解を得ることが重要である.
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