日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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ワークショップ2  アトピー性皮膚炎治療の素朴な疑問について考えよう
「プロアクティブ療法」を日常診療にどのように取り入れていくか?
二村 昌樹岡藤 郁夫福家 辰樹海老島 優子村田 卓士森川 みき南部 光彦
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2016 年 30 巻 1 号 p. 91-97

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抄録
アトピー性皮膚炎の治療の一つとして, 急性期を終えた寛解期に湿疹の再燃を予防するプロアクティブ療法がある. わが国でも多くの医師がその治療法を認知し, 実際に行っている. 小児を対象としたプロアクティブ療法は, これまでに6つのランダム化比較試験が報告されている. 4試験がステロイド外用薬を用いた16~20週間観察したもので, 2試験がタクロリムス軟膏を用いてそれぞれ40週, 1年間フォローしたものであった. いずれの試験もプロアクティブ療法の有効性を示しており, 副作用もプラセボ群と比較して増加する傾向はみられていない. ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の比較, 長期使用に伴う副作用など課題は残されているが, 現時点において小児患者に対するプロアクティブ療法は有効であると考えられる.
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© 2016 日本小児アレルギー学会
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