日本小児アレルギー学会誌
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原著
小児の喘息発作強度分類と修正Pulmonary Indexスコアの関連
立元 千帆吉重 道子鮫島 幸二渡辺 雅子木村 絢子赤司 賢一勝沼 俊雄
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ジャーナル 認証あり

2016 年 30 巻 2 号 p. 164-169

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抄録
小児気管支喘息発作は従来『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン』 (以下, JPGL) に示される発作強度分類 (小発作, 中発作, 大発作) を用いて評価されてきた. 今回, われわれは修正Pulmonary Indexスコア (MPIS) を用いて喘息発作強度を判定し, 従来の評価方法と比較した. 94名 (129イベント) の気管支喘息発作を対象とした. JPGL 2012で小発作と判断されたイベントが64件, 中発作と判断されたイベントが55件, 大発作と判断されたイベントが10件であった. それぞれのMPISは小発作が4.5±2.1点 (0-9), 中発作が8.1±2.1点 (4-13), 大発作が13.2±1.9点 (11-16) であった. 3群間の比較でいすれも有意な差を認め, MPISは従来の喘息発作強度を適正に反映していると考えられた. 客観性, 評価者間一致性, 評価者内再現性の高い喘息発作評価法であるMPISの普及により, 喘息発作強度のさらなる適正化が期待される.
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© 2016 日本小児アレルギー学会
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