日本小児アレルギー学会誌
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総説(シンポジウム1:新生児・乳児消化管アレルギーの病態解明へのアプローチ)
消化管アレルギーのフェノタイプ・臨床像
伊藤 靖典
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2017 年 31 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

 消化管アレルギーは消化管を主体とした症状が引き起こされる非IgE依存性の食物アレルギーの1型とされている. 臨床症状によってフェノタイプが報告されているが, わが国と海外では分類に相違がある.

 海外ではnon-IgE-mediated gastrointestinal food allergyとして, 嘔吐や下痢を生じるfood-protein induced enterocolitis syndrome, 血便を主症状とするproctocolitis, 体重増加不良, 吸収障害を呈するenteropathyの3つに分類されている. 海外では末梢血好酸球増多についてこれらのフェノタイプではふれられていないが, わが国では末梢血好酸球の増多を認める症例が多く, 好酸球性消化管疾患 (eosinophilic gastrointestinal disorders : EGIDs) と一部重複する部分がみられている. EGIDsは海外では消化管アレルギーとは分けて分類されていることが日本との違いであると考えられる.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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