「食物アレルギー診療ガイドライン2016」では, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー (FDEIA) の診断に, 詳細な問診, 一般的血液検査, 各種アレルギー検査が有用で, 確定診断には誘発試験の実施が望ましいとされている. しかし誘発試験の再現性は高くはなく, アレルゲンコンポーネント (AC) が新たな診断ツールとして注目されている.
当科で経験した小児小麦依存性運動誘発アナフィラキシー (WDEIA) に対して, ACを測定したところ, 成人WDEIAの感作パターンと異なり, Tri a 19, Tri a 21, Tri a 26, Tri a 37の組み合わせが診断に有用である可能性が示唆された. さらに, 小児モモFDEIAでは, 成人モモ即時型アレルギーを対象とした既報告と同様にPru p 7が有用であった以外に, Pru p 3も関連していたことから, Pru p 7, Pru p 3の測定が診断に有用である可能性が示唆された.
現在, 一部の食物を除いてACについての検討は少なく, 引き続き詳細な検討が必要である.
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