日本小児アレルギー学会誌
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疫学委員会(喘息死検討部会)報告
喘息死委員会レポート2017
楠 隆赤澤 晃荒川 浩一今井 孝成大矢 幸弘板澤 寿子長尾 みづほ福田 啓伸二村 昌樹吉田 幸一小田嶋 博西間 三馨松井 猛彦日本小児アレルギー学会疫学委員会(喘息死検討部会)
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キーワード: 喘息死, 重症度severity
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2018 年 32 巻 4 号 p. 739-745

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抄録

 日本小児アレルギー学会・喘息死委員会宛てに1989~2017年10月までに気管支喘息に罹患していて死亡し登録された症例は新規登録6名を加えて252例で, 対象外を除いた219例について解析した. 男女比は136/83 (1.6/1) であった. 死亡年齢は0~3歳, 12~16歳の思春期にピークがみられた. 都道府県別では, 東京24例, 愛知16例, 福岡15例などの順となっていた. 喘息の型はアトピー型が47%で約半数を占め, 季節性では通年性が38%であった. 死亡前1年間の重症度は, 重症26%, 中等症18%, 軽症18%, 不明・未記入38%であった. 不明・未記入の割合が1999年までは34%に対し, 2000年以降は53%と増加していた. 入院回数は0回37%, 1回15%, 2回5%, 3回以上14%, 不明・未記入29%であった. 受診時の状況は, 受診時死亡例 (dead on arrival : DOA) が58.2%, 死因は窒息が59.6%でいずれも最も多かった.

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© 2018 日本小児アレルギー学会
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