2020 年 34 巻 1 号 p. 100-104
良質な医療を導入し,地域に広げ均てん化するためには診療報酬の取得が欠かせない.喘息指導管理料2再評価に向け行った実態調査では,6歳未満の喘息患者への吸入ステロイド薬(ICS)導入率は20-39%が239名(35%)で最も多く,40-59%も20%以上を占めていた.喘息治療管理料2の請求を“まったくしていない”が最も多く,“あまりしていない”を合わせると55%を占め,14%は“知らない”と答えた.請求をしていない理由として,“忘れている”37%,“指導対象者がいない”25%,“保険点数の設定が低い”20%に上った.既にICSを導入された6歳未満児を新規に診察したとき,吸入手技指導が十分でないと感じる頻度は“よくある”261名(44%),“ある”317名(53%)で合わせて97%に及んだ.初回280点に加え,指導継続に年2回まで140点/回算定することを提案した.保健医療の将来を見据え,全会員の協力のもと他学会や多職種と連携し改定対策を行うことが重要である.