日本小児アレルギー学会誌
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原著
発熱を有する喘息急性増悪患者のModified Pulmonary Index Scoreでの入院適応の検討
鈴木 亮平相良 長俊青田 明子赤司 賢一勝沼 俊雄
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2020 年 34 巻 3 号 p. 319-324

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抄録

【背景】Modified Pulmonary Index Score(MPIS)は客観性や再現性に優れた小児喘息急性増悪の評価方法である.MPISは入院を決定する上で有用なツールとなり得るが,評価項目に心拍数が含まれ,発熱の影響を受ける可能性が示唆される.

【目的】入院予測のためのMPISカットオフ値が発熱の有無で変化するかを明らかにする.

【方法】2013年11月から2018年10月に救急外来を受診した喘息急性増悪患児を対象とし,受診時のMPISと入院の有無との関係を後方視的に検討した.さらに,発熱患者のMPISを体温で補正し,入院との関係性を再度検討した.

【結果】発熱患者における入院確率が80%となる受診時MPISのカットオフ値は,体温での補正前は9.7点(95%信頼区間=8.9-11.1),補正後で9.5点(95%信頼区間=8.6-10.9)であった.

【結論】MPISは発熱を有する喘息急性増悪患者にも問題なく使用できる評価方法である.

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© 2020 日本小児アレルギー学会
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