舌下免疫療法(SLIT)の小児における臨床効果の報告は少ない.ダニSLITを開始した通年性アレルギー性鼻炎の小児患者100名を対象に,治療開始から6か月間の治療状況及び今後の課題を検討した.評価には鼻炎症状を中心とした治療効果に関する21項目と副反応17項目から成る独自のVisual Analog Scale(VAS)表を用いた.21項目中14項目のVAS平均値は,観察期間中に有意な減少を認めた.副反応を訴える患者割合は治療開始1か月以内に増加し,口腔内や喉の痒みが多かった.この時期では20%の患者が治療の辛さを訴えた.治療中断者は14名で,その内3名に消化器症状の副反応の訴えがあった.治療中断群のスギ花粉特異的IgE値は治療継続群より有意に高かった.小児におけるSLITの臨床効果は比較的早期から期待できることが示唆された.長期の治療をより効果的に継続していくためには,副反応に対する十分な説明を行い,適切な対処法をアドバイスするなど患者や保護者への積極的な関わりが重要だといえる.