日本小児アレルギー学会誌
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原著
ボンラクト iと豆腐・豆乳とのアレルゲン性の比較検討
松井 照明田島 巌牧野 篤司内藤 宙大森山 達哉渡邊 弥一郎北村 勝誠高里 良宏杉浦 至郎和泉 秀彦伊藤 浩明
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2022 年 36 巻 3 号 p. 234-240

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抄録

目的:ボンラクト iの原料である酵素分解分離大豆たんぱく(酵素分解SPI)は,熱処理と酵素処理により低アレルゲン化されている可能性があり,そのアレルゲン性を確認することを目的とした.

方法:1.酵素分解SPI及びその原料のSPIのポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)及び免疫ブロッティングを行った.2.大豆アレルギー患者に対して皮膚プリックテスト(SPT),豆腐または豆乳とボンラクト iの経口負荷試験(OFC)の比較を行った.

結果:1.SDS-PAGEではSPIよりも酵素分解SPIで全体に低分子化されたバンドが確認され,免疫ブロッティングではGly m Bd 28K及び30Kに特異的なバンドが検出されづらくなった.2.2/3例で,大豆と比較して酵素分解SPIのSPT膨疹径が小さかった.OFCでは3/4例でボンラクト iの症状誘発閾値たんぱく量が多く,全例で重症度が低かった.

結語:ボンラクト iは低分子化されており,アレルゲン性が低いことが示唆された.

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© 2022 日本小児アレルギー学会
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