日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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原著
マカダミアナッツアレルギー2例のアレルゲン解析
青田 明子勝沼 俊雄藤多 慧鈴木 亮平相良 長俊近藤 康人赤司 賢一
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2023 年 37 巻 1 号 p. 99-104

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抄録

マカダミアナッツ摂取後,アナフィラキシー症状を呈した症例2人を経験した.症例1は症状出現前にマカダミアナッツオイル含有保湿剤を1年使用しており,経皮感作が疑われた.2例ともに皮膚テスト陽性であった.マカダミアナッツの抗原蛋白抽出を行い,イムノブロッティングにて患者血清と反応させたところ,症例1では20kDa,50 kDa,60kDa,と65 kDa付近に,症例2では18kDa,20 kDa,50 kDa,60kDaに陽性バンドを検出した.このうち60kDa,65 kDaのタンパク質についてはこれまでIgE結合の報告はない.今後はより詳細なマカダミアナッツの抗原蛋白・コンポーネントの同定とオイル成分の分析により,経皮感作の関与を探求する必要がある.

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© 2023 日本小児アレルギー学会
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