2023 年 37 巻 1 号 p. 99-104
マカダミアナッツ摂取後,アナフィラキシー症状を呈した症例2人を経験した.症例1は症状出現前にマカダミアナッツオイル含有保湿剤を1年使用しており,経皮感作が疑われた.2例ともに皮膚テスト陽性であった.マカダミアナッツの抗原蛋白抽出を行い,イムノブロッティングにて患者血清と反応させたところ,症例1では20kDa,50 kDa,60kDa,と65 kDa付近に,症例2では18kDa,20 kDa,50 kDa,60kDaに陽性バンドを検出した.このうち60kDa,65 kDaのタンパク質についてはこれまでIgE結合の報告はない.今後はより詳細なマカダミアナッツの抗原蛋白・コンポーネントの同定とオイル成分の分析により,経皮感作の関与を探求する必要がある.