日本小児アレルギー学会誌
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シンポジウム 5:COVID19 が小児アレルギー疾患に与えた影響を考える
COVID-19が小児アレルギー疾患に与えた影響を考える
~小児アレルギー診療,研修への影響
磯崎 淳
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2024 年 38 巻 1 号 p. 71-75

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抄録

COVID-19の発生は社会全体に大きな影響を与え,様々な変革をもたらしてきた.発生当初をはじめ医療機関,小児診療,小児アレルギー診療やアレルギー研修会にも影響を与えた.COVID-19発生以降の当院でのアレルギー診療,アレルギー研修会の変遷を振り返ることで,その影響を検証した.COVID-19発生直後の2020年はアレルギー患児の受診が激減した.以降,経年的に増加に転じ,気管支喘息入院患児をはじめとして現在までに以前の水準に戻りつつある.2020年のアレルギー患児の減少は大きかったものの,小児科全体の減少よりは少なかった.他方,医師,看護師が新型コロナウイルスに感染・クラスターの発生に伴い,病棟閉鎖や受診制限がなされた.また,対面でのアレルギー研修会の実施が中止・延期することを余儀なくされた.対面での実施に代わり,World Wide Web(Web)や動画配信による研修会支援が広く行われるようになった.これらinformation technology(IT)技術を用いた研修会は,今後も主要なツールになると考えられる.

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