日本小児アレルギー学会誌
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原著
愛知県在住の卵,乳,小麦アレルギー患児に対する小学校給食提供に関する調査
中里 友美坂井 聡松井 照明北村 勝誠高里 良宏杉浦 至郎伊藤 浩明
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2024 年 38 巻 2 号 p. 158-168

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抄録

【目的】学校給食の食物アレルギー対応について,患者に対して実態調査を行うこと.

【方法】あいち小児保健医療総合センターアレルギー科を受診した,学校に1品以上の食物除去の依頼をしている愛知県の小学生の保護者を対象に,2017年7月の卵,乳,小麦に関する対応の調査を行った.

【結果】有効回収数は184人で,36市町村(共同方式33市町村)が該当した.25人(13.6%)は完全弁当持参であった.それ以外の159人の対応依頼食物の内訳は,卵94人(59%),乳67人(42%),小麦24人(15%)だった.副食での提供日数が0~2日であった献立表は卵32%,乳55%,小麦0%であった.料理ごとの対応では卵58%,乳79%,小麦84%が無配膳であった.最終工程のみ調理する半加工品の利用から代替食による提供が難しいために無配膳となる傾向にあった.

【結語】卵,乳,小麦を含まない給食提供日を増やす,小麦も不使用の加工品の利用等により,給食費や現場の負担も考慮しながら,安全に1品でも多く給食提供することが望まれる.

2017年夏休み期間中、当科に受診した、学校給食にて1品以上のアレルギー対応を依頼している小学生を対象に7月の献立表をもとに給食対応のアンケート調査を行った。その結果、卵、乳はひと月の提供頻度を意識的に抑える献立表が存在したが、卵、乳、小麦ともに無配膳対応が多くを占めていた。 Fullsize Image
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