2025 年 39 巻 3 号 p. 240-245
アトピー性皮膚炎(AD)は,皮膚バリア機能障害,Th2優位の免疫応答,かゆみと掻破の悪循環,皮膚マイクロバイオームの乱れなどが複雑に関与する慢性炎症性皮膚疾患である.乳児期は顔面を中心とした湿潤性病変,幼児期以降は関節屈側の苔癬化病変が主体となり,年齢により皮疹の分布や性状が変化する.小児皮膚は角層が薄く水分保持能が低いため,バリア機能が未熟である.ADは学童期以降も持続する例が多く,有病率は10~15%と高い.本稿では,ADの病態生理,年齢別の皮疹の特徴,小児皮膚の特性,疫学を概説する.