日本小児アレルギー学会誌
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喘息児の家庭内のダニ抗原量の推移と臨床症状の関連について
神田 康司岩佐 充二安藤恒 三郎今枝 弘美渡辺 勇後藤 玄夫渡辺 一男三浦 康伸
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1997 年 11 巻 4 号 p. 256-262

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抄録

1, 対象はヒョウヒダニ特異的IgE値が17.5PRU/ml以上 (RASTスコア4) の喘息児12人 (3-14才) と健康児12人の家庭である. その24家庭に保健所職員が月1回5ヶ月間訪問し, 掃除機に16 (1000μ) と200メッシュ (74μ) の直径5cm円形の2段フィルターで塵を分離するダストサンプラー (神東塗料株式会社製) を装着し塵を採取した. ヒョウヒダニ抗原量はダストチェッカー (特異モノクローナル抗体による2抗体サンドイッチELISA法: 神東塗料株式会社製) で測定した. 患児家庭では決められた掃除を定期的に施行してもらった. 患児家庭の敷き布団と寝室床面の塵量1g当たりのダニ抗原量が減少し, 臨床症状も軽快傾向を示した. 2, 対象はダニ特異的IgE値がスコア2以上の喘息児20人 (2-11才) の家庭である. 1年間月1回, 掃除機にダストサンプラーを装着し, 塵を母親に採取してもらった. 敷き布団の月別平均ダニ抗原量は, 秋に抗原量が多くなり, 2月, 3月に一番少なくなった. 喘息発作に敷き布団の影響は大きいと思われた.

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