日本小児アレルギー学会誌
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喘息死委員会レポート'97
日本小児アレルギー学会・喘息死委員会赤坂 徹松井 猛彦西間 三馨三河 春樹鳥居 新平
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1998 年 12 巻 4 号 p. 349-357

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抄録

1990年から1997年までに登録された喘息死のうち, 交通事故の3例を含む発作以外による死亡8例を除いた137例について解析した. 年齢は0~28歳, 男女比は85:52であった. 重症度は軽症が26例 (19.1%), 中等症が30例 (22.1%), 重症が41例 (30.1%)で, 不明あるいは記載なしが39例 (28.7%) であった. 病院内死亡が78例 (58%) であり, 13歳以上では他の年齢層に比べて, 来院途中の5例や救急車内死亡の6例が多かった. 死亡に関与した要因の主なものは, 適切な受診の遅れが69.3%, 予期せぬ急激な悪化が67.9%であった. 適切な受診時期の遅れの原因として, 家族の判断の誤りが48.9%, 患者の判断の誤りが47.4%, 定量噴霧式吸入器 (MDI) によるβ刺激薬の過度依存が29.2%と多かった. 薬物の過剰投与が喘息死の要因あるいはその疑いがあるとされた19例のうちMDIが12例であり, feneterol が8例であった.

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