日本小児アレルギー学会誌
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12 巻 , 4 号
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  • 安藤 仁志, 宇理須 厚雄, 徳田 玲子, 森田 豊, 和田 映子, 近藤 康人, 矢崎 雄彦, 山田 一恵, 松田 幹
    1998 年 12 巻 4 号 p. 299-306
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ペプシン処理オボムコイド (以下OM) をゲルろ過法ならびに逆相HPLC法で精製し, IgE結合能をもつ fragment を決定し, さらにその fragment に含まれるペプチドのN末端アミノ酸配列を決定した. 対象はOMの特異的IgE抗体高値の患児15名. これらの患児に二重盲検法による卵白経口負荷試験を行い即時型過敏反応 (以下IHR) 陽性群と陰性群に分けた. ゲルろ過法で精製された fragment に対するIgE結合能は, IHR陽性群で fraction 23, 38が有意に高値であった. その中で fraction 23をさらに逆相HPLC法で精製しIgE結合能を検討した. IgE結合能は fraction e に見られた. さらにこの fraction e に含まれるペプチドのN末端アミノ酸配列を決定した所, OMの134残基目 (valine) から始まるドメイン3と同定された. 以上からIHRに関与するIgEエピトープの1つはOMのドメイン3に存在する事が示唆された.
  • 安藤 仁志, 宇理須 厚雄, 徳田 玲子, 森田 豊, 和田 映子, 近藤 康人, 矢崎 雄彦
    1998 年 12 巻 4 号 p. 307-312
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎の患児30名 (平均年齢±標準偏差は4.6±6.8歳, 男:女=16名:14名) の病変部位 (湿潤部位, 苔癬化部位) と非病変部位について黄色ブドウ球菌の検出を行い, 検出率, コロニー数, コアグラーゼ型, エンテロトキシン型とその検出率, TSST-1検出率, MRSA検出率について検討した. 病変部位と非病変部位とで有意差がみられたのは黄色ブドウ球菌の検出率及びコロニー数であった. しかしコアグラーゼ型, エンテロトキシン型, MRSAの検出率は皮疹により有意差はなかった. また同一患者では皮疹が異なっても採取される黄色ブドウ球菌の型は一致している症例が多かった. (30例中27例: 90%) すなわちアトピー性皮膚炎の病変形成に黄色ブドウ球菌のコロニー数が重要な因子であることが示唆された. またこの事は皮膚表面に付着する菌数が増加すれば, それに伴って黄色ブドウ球菌の産生するエンテロトキシンなどのスーパー抗原も増加することから, これらの因子がアトピー性皮膚炎の皮疹の増悪に関与していることが推測された.
  • 佐々木 聖, 本永 正光, 谷口 恭治
    1998 年 12 巻 4 号 p. 313-322
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アレルギー疾患を有する当院小児患者196例について, 特異IgE抗体測定におけるルミワードの基礎的検討ならびに臨床的有用性を検討した. 基礎検討については, 同時再現性, 日差再現性, 希釈直線性は良好であり, 種々の干渉物質の影響も受けなかった. 最小検出感度は特異IgE抗体0.04IU/ml, 総IgE 0.11IU/mlであった. 有症患者血清145例, 8アレルゲンで858検査でのCAP RASTとの相関性は, 陽性一致率90.3%, 陰性一致率92.8%, 判定一致率91.8%, 相関係数r=0.916と良好であった. 臨床的有用性について, 皮膚テストに比して感度ではやや劣るが, 特異性においては優れた成績を示した. 特異IgE抗体の年齢別出現頻度は, 0歳では卵白, 牛乳以外の食物抗原はすべて陰性であった. 食物抗原は概ね2歳で高値を示し, 6歳で再び低値となった. ネコ, ダニの陽性率は加齢とともに上昇し, 特にダニでは6歳で約70%に達した. 卵白陽性の6歳児9名の0歳時所見は7例が卵白陽性であり, 残り2例中1例の抗体値がルミワードの検出可能範囲 (0.04~0.35IU/ml) にあった. 牛乳は1例が陽性, 2例が検出範囲を示した. ダニはすべて陰性であったが4例が検出範囲であった. 以上より, ルミワードは検出感度が高く, 臨床的にも有用なシステムであると考えられた. また, 特異IgE抗体の0.35IU/ml以下の測定が可能なため, アレルギー疾患の早期診断の可能性も示唆された.
  • 椿 俊和, 坂口 直哉, 小屋 二六, 細野 稔彦, 澤井 清, 船橋 茂, 永山 洋子, 小田嶋 安平, 正木 拓朗, 笹本 和広, 淀井 ...
    1998 年 12 巻 4 号 p. 323-337
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    感染を繰り返す19例の0~7歳の患児に対して, γ-グロブリン大量療法 (400mg/kg/day×5日間) による一般試験を実施した. 試験開始2週間前, 1か月後, 7か月後および2年後の臨床症状を観察した.
    7か月までの試験では19例中17例の改善度を評価し, その後最終的に2年までの予後調査が実施できたのは6例であった.
    患児の臨床症状, 日常生活動作および治療内容が毎日記録された. 発作回数および日常生活障害点数は最終投与後から低下し, 7か月はさらに低下した. 改善効果は小さいが他の臨床症状も改善した. 治療内容では気管支拡張剤の使用は減少したが, ステロイドおよび抗アレルギー剤の減少は僅かであった. 重症度からみた改善率は7か月後70.6% (12/17) であり, 2年後も50.0% (3/6) を維持していた. 入院回数では試験開始7か月間の1.5回が1.5~2年の6か月間では0.3回に低下した. 臨床症状の改善率は最終投与後58.8% (10/17) であり, 7か月後も76.5% (13/17) であった. 治療内容を考慮した臨床症状の改善率も1か月後64.7% (11/17) であり, 7か月後も82.3% (14/17) であった.
    19例中12例が投与開始後数日に, 発熱, 嘔吐, 嘔気または頭痛を訴えた.
    肺炎および気管支炎の感染率は投与開始前の94% (16/17) から投与1か月後18% (3/17) に低下し, 7か月まで同程度の感染抑制が続いた.
    3歳未満の患児は3歳以上の患児より改善効果が高かった. さらに3歳未満児の中では末梢血好酸球数の高い症例において改善効果が高かった.
    長期的な改善効果を及ぼすγ-グロブリンの作用としては本剤のもつ免疫調節作用が考えられた.
  • 三好 麻里, 藤田 秀樹, 足立 佳代, 武田 和子, 山本 康二, 森 裕美子, 下宮 一雄, 久呉 真章, 小松 幹夫, 櫻井 隆, 児 ...
    1998 年 12 巻 4 号 p. 338-344
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    夜間に発作の多い気管支喘息の管理・指導において, 夜間救急システムの整備が重要であり, 喘息死や致死的高度発作の予防のためにも一次救急と二次救急の連携が大切であると思われる. 姫路市における小児の夜間救急システムは一次救急を小児科および内科開業医が当直する姫路市夜間・休日急病センターが, 後送二次救急を姫路赤十字病院が担当している. 姫路市の平成9年における小児気管支喘息発作患者の受診・入院状況について調査した. 平成9年に急病センターを受診した小児科の患者は12,382名でうち喘息発作の患者は1,539名 (12.4%) であり, 後送入院になったのは42名 (2.7%) にすぎず, 97.3%の患者は一次救急のみであった. 診察のみ, もしくは気管支拡張剤の吸入のみで後送入院必要と判断された患者が79%を占めた. 姫路市における小児の夜間救急システムの連携は比較的スムースであると思われた.
  • 南部 光彦, 新宅 教顕
    1998 年 12 巻 4 号 p. 345-348
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    呼気時胸郭圧迫 (スクイージング) は, 気管支喘息患者の呼出を補助し, 喀痰排出を促す理学療法のひとつである. 喘息非発作時の吸入療法におけるスクイージングの有効性を検討するために, 超音波式ネブライザーを用いてDSCGを吸入させ, 4時間蓄尿中のDSCG量を測定, スクイージングの有無で比較した. 尿中DSCG排泄量は, 吸入したDSCGの肺への沈着量を反映すると考えられ, スクイージングの効果判定の指標とした. スクイージングの効果は, 統計学的には有意ではなかったが, 6例中3例で, スクイージングによりDSCG尿中排泄量が1.4倍~2.1倍増加した. また, スクイージングによるDSCG尿中排泄量の増加がみられなかった3例のうち1例では, 咳嗽が誘発され, 喀痰排出が促進された. 残りの2例では, スクイージングの効果は明らかではなく, そのうちの3歳児例では, スクイージングにより吸気が妨げられた可能性があった. 気管支喘息児の非発作時の吸入療法において, スクイージングは, 少なくとも一部の症例で有効であることが示された.
  • 日本小児アレルギー学会・喘息死委員会 , 赤坂 徹, 松井 猛彦, 西間 三馨, 三河 春樹, 鳥居 新平
    1998 年 12 巻 4 号 p. 349-357
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    1990年から1997年までに登録された喘息死のうち, 交通事故の3例を含む発作以外による死亡8例を除いた137例について解析した. 年齢は0~28歳, 男女比は85:52であった. 重症度は軽症が26例 (19.1%), 中等症が30例 (22.1%), 重症が41例 (30.1%)で, 不明あるいは記載なしが39例 (28.7%) であった. 病院内死亡が78例 (58%) であり, 13歳以上では他の年齢層に比べて, 来院途中の5例や救急車内死亡の6例が多かった. 死亡に関与した要因の主なものは, 適切な受診の遅れが69.3%, 予期せぬ急激な悪化が67.9%であった. 適切な受診時期の遅れの原因として, 家族の判断の誤りが48.9%, 患者の判断の誤りが47.4%, 定量噴霧式吸入器 (MDI) によるβ刺激薬の過度依存が29.2%と多かった. 薬物の過剰投与が喘息死の要因あるいはその疑いがあるとされた19例のうちMDIが12例であり, feneterol が8例であった.
  • 岩田 富士彦, 小田島 安平, 伊東 三吾, 井村 総一, 田中 和子, 赤澤 晃, 斎藤 博久
    1998 年 12 巻 4 号 p. 358-361
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    魚アレルギーによってアナフィラキシーを呈した2小児例を報告した. 2例ともRAST検査は検査したすべての魚に対して陽性を示した. IgE immunoblotting 法にて13Kd付近の蛋白分子が共通抗原になっており, Gad c1に感受性があると考えられた. Gad c1はほとんどの魚に共通して存在するため, 食べたことのない魚にも反応する可能性がある. そのため, 食物アレルギーの原因食品として認識されにくく, 念頭に置いておくことが重要である.
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